糖尿病・甲状腺 病気と暮らしのガイド

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バセドウ病と診断された方へ

バセドウ病はどんな病気?

バセドウ病は『抗甲状腺受容体抗体(=TSH受容体抗体)』という自己抗体(自分を攻撃する免疫物質)が体内で作られ甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンが過剰に産生される病気です。
「たくさん甲状腺ホルモンが作られる状態」のことを『甲状腺機能亢進症』と言います。

ホルモン分泌のイメージ図

ホルモン分泌のイメージ図

どんな症状がでますか?

甲状腺ホルモンは全身の細胞を元気に保つホルモンです。
バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰になり、代謝が良すぎるため、病的にやせる、ドキドキする(動悸)、頻脈、発汗、下痢、イライラ、疲れやすいなどの症状がでます。約3割の方で眼球が飛び出る、眼球の動きが悪くなって物が二重に見える、という症状がでます。

甲状腺はのど仏の下に位置する小さな臓器で、蝶々のような形をしています。小さく薄いので普通は触っても分からない程ですが、バセドウ病は大きく腫れることもあり、それがきっかけでわかる方もいます。

バセドウ病の診断

甲状腺ホルモン(FT4、FT3)が高い + 抗甲状腺受容体抗体が高い、で確定診断となります。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)は低く抑制されます。

バセドウ病の9割の方はこれらの血液検査の組み合わせで診断ができますが、判断が難しい場合は、甲状腺エコーや核医学検査(シンチグラフィー)などの画像検査を組み合わせて診断します。

バセドウ病確定診断表

バセドウ病の治療

1.内服治療
7割で有効なので第一選択。当院で開始できます。
2.内照射治療(放射性ヨードのカプセルを内服するタイプの放射線治療)
高次機能病院へ紹介
3.外科治療(甲状腺の摘出術)
高次機能病院へ紹介

日本では内服治療で開始することが多いです。血液検査の推移をみながら内服薬を調節します。
お薬で病気を抑えきれない場合や、重大な副作用、その他の状況によって内服治療を継続できない方は、内照射治療や甲状腺摘出術をお勧めすることもあります。その場合は信頼できる高次機能病院へ紹介いたします。

内服治療開始時の注意点

  • 内服を開始して2か月間は、2~3週間毎に血液検査をします。白血球減少、かゆみ、肝障害などの副作用が出ないかチェックします。その後、1か月毎→6週毎→2ヶ月毎、と通院の間隔を延ばします。
  • 内服開始後2~3か月で37.5度以上の発熱がある場合には、白血球減少がないか血液検査が必要です。その日のうちに、当院に電話連絡もしくはWEB予約のうえで受診してください。WEB予約が埋まっていても診療いたしますので電話でご連絡ください。当院が休診の場合は、お薬手帳と血液検査結果をもってお近くにある総合病院の救急外来もしくは緑区休日診療所を受診してください。
  • 蕁麻疹が出た場合は内服継続のまま当院へ受診してください。抗アレルギー薬を処方します。それでもよくならない場合は薬を変更します。すぐに来院できないときはお手持ちの抗アレルギー薬(市販薬だとアレグラやアレジオン)内服でもよいです。

生活上の注意点

  • ホルモン値が落ち着くまでは激しい運動や過労・ストレスはできるだけ避け、ゆっくりお過ごしください。
  • 喫煙は薬の効果を弱めバセドウ病の完治を妨げます。眼症状の悪化要因にもなります。禁煙してください。
  • 自覚症状は1~2か月でよくなることがほとんどで、その後は激しい運動も問題ありません。内服を継続しながら、バセドウ病の発症前と変わらない生活が送れます。
  • 内服薬は3~12ヶ月ごとに減量することが多いです。しっかり病気を抑えて治すために数年単位の内服・通院が必要です。通院中断はしないようにしましょう。

妊娠希望の場合

ホルモン値が安定していないと初期流産や早産だけでなく、胎児の脳の成長や心疾患にかかわることがあります。安定するまでの数カ月(発症後半年前後)は避妊をお願いします。

第一選択薬のメルカゾールは奇形児のリスクがありますので、妊娠5~9週は中止が必要です。妊娠希望になった場合には担当医へ教えてください。薬の変更や中止のタイミングを相談します。

バセドウ病の治療をしながら元気な赤ちゃんを出産している方は大勢いますので、相談しながらやっていきましょう。

治療しないとどうなるのでしょうか?

内服がしっかりできず不定期になると、どんどん治りにくくなります。また、治療をしないと命に関わることがあります。

心不全・肝不全・骨粗しょう症などが重篤になり、若い方でもそれらが回復しないことがあるためです。
甲状腺ホルモンがすごく高い状態の未治療のままで感染症・ケガ・多忙など身体にストレスがかかると、「甲状腺クリーゼ」という重篤な状態に一気に陥って救命できないこともあります。

通院と内服の継続がとても大切です。
もし途切れてしまっても、あなたのお身体と人生を守るために怖がらずぜひ再受診してください。いつでもお待ちしています。

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